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2007年06月29日(金)

京極夏彦/邪魅の雫

邪魅の雫 邪魅の雫
京極 夏彦 (2006/09/27)
講談社
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内容(「BOOK」データベースより)
「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「―自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と。警察も手を拱く中、ついにあの男が登場する!「邪なことをすると―死ぬよ」。


【More・・・】

あらすじが書きにくい話なので、人物相関関係…というよりも
忘れないように犯人相関関係を書いておきます。
究極のネタばれなので、未読の方は避けてくださいね!
(文字は消しておきます)

澤井健一←神崎宏美からもらった「しずく」(毒薬)で
     来宮小百合が毒殺
来宮小百合←通りすがりの江藤徹也が毒殺(自殺幇助)
宇津木実菜←実菜に成りすました神崎宏美が教唆し
        赤木大輔が毒殺
赤木大輔←江藤徹也が毒殺
江藤徹也←実菜の仇だと勘違いした大鷹篤志が毒殺
大鷹篤志←実菜の仇だと勘違いした西田新造が刺殺

神崎宏美:真壁恵・宇津木美菜・原田美咲・神崎礼子


こうやって書き出してみると本当にとんでもないというか
むちゃくちゃな話ですね…


京極堂シリーズ第8弾。
ようやく現時点で出ている分を読み終わり、
京極堂シリーズを読み始めてから初めて世間に追いつきました。
『陰摩羅鬼の瑕』なんて購入後2年くらい
少し読んでは挫折し、
しばらくして続きを読んでみたら内容を忘れているので
また最初から読み返して途中で挫折…の繰り返しでしたから。
『姑獲鳥の夏』を初めて読んだのは7年くらい前なのに!
時間かかりすぎ私!

前作『陰摩羅鬼の瑕』にかなり苦戦したためか、
今回は割とすらすら読めました。
1章1章が短かったので、気分を切り替えられたし
途中で中断しても再開しやすかったのもあるでしょう。


本の中では特に最後の4Pが好きなのですが
中でも宏美のモノローグ、
  視ないで。その眼で――視ないで。
  そう、私はこの眼で視られるのが厭で――。
  だから他の人に。

というところが好きです。
神崎宏美は榎木津の縁談を壊したくて、
でも直接的に自分が何かをしたら
榎木津に会ったときに視られて幻滅されてしまうというのが
無意識的にでも分かっていたんですね。
だから嘘をついただけ。
最後の榎木津の言葉もつらい。

内容も大体わかりやすかったと思います。
読んでいて人物がごちゃごちゃしてきたけど、それは仕方ない。
わかりにくいと不評だった、誰のものかはっきりしないモノローグも
ミスリードされている感じがして
さあこれからどうひっくり返されるんだろう!?と面白かったです。


ただ、やっぱり悪く言えば、
いつもの京極堂シリーズらしくなかったかなあ…と。
榎木津は榎木津らしくないし
京極堂の妖怪談義もないし。
(邪魅の説明って関口がしただけですよね?)
榎木津が大人しいのは内容が内容だけに仕方ないけど
次回作ではまた「僕が神だ!」(神は僕だ、だっけ?)
くらいの破天荒ぶりが見たいなあ。

関口が割としっかりしていたのと
益田のお調子者はわざとそうふるまっているだけという
新たな一面が見られたのはよかったです。
「中禅寺君」「榎木津君」と宏美が呼ぶのも新鮮だったし。
そして京極堂も。関口に対して
「仮令(たとえ)君の本が酷評されようが焚書にされようが、
 君を能く知っている僕等の君に対する評価は
 何一つ変わりはしないんだよ。
 まあそうだろうなと思う程度だ。何が不服なんだ」
ってひどいよ京極堂(笑)
京極堂も面白いことをいうんだなあ…と思いました。


来宮小百合をずっと、「くるみやさゆり」と間違って読んでいたので
最後の方の「き、来宮?」という言葉を読んで
初めて「きのみや」だと気づきました。
あれがなかったら最後までくるみやだと思っていたかも…。
あんなに厚いのに一番最初にしか振り仮名ふってないんですもの。
『陰摩羅鬼の瑕』の由良昂允(ゆらこういん)も
「あれ?あきみつだっけ?」となかなか覚えられず
何度も最初に戻りながら読んでいました。

人名に限らず、前の方のページを読み返したいと思ったとき
厚すぎて目当ての箇所を探し出すのも一苦労です。

それでも京極夏彦の作品は、『狂骨の夢』くらいから
必ず文章がそのページ内で終わっている
(次のページにまたがらない)ので
読みやすいしすごいと思います。
どうやって調整しているんだろう?


『陰摩羅鬼の瑕』以前のシリーズを読んだのがだいぶ前だったので
前作に出てこない準レギュラーのことはすっかり忘れていました。
益田って誰だっけ?とか
亀井って誰だっけ?とか
石井と山下の区別がつかないとか
今回出てこないけどマチコとか伊佐間って人もいたなあとか
敦子の内面ってなんだったっけ?とか…

『塗仏の宴』を読んだのがだいぶ前だったので
全然覚えていないんですよね。
それも長いだけであんまり面白かった印象がないし…
堂島静軒とか彩賀笙とか華仙姑処女とかいう人物が
いたなあというくらい。
もう一度読み返したいけど、『塗仏の宴』から読み返すなら、
ちゃんと『姑獲鳥の夏』から読み返したほうがいいですよね。

先は長いなあ。
『前巷説百物語』も読みたいんですけど…


京極夏彦作品の登場人物をまとめたサイトを見つけました。
 →京極夏彦作品人名事典
すごく分かりやすいです。ネタばれになるのでうかつに読めませんが…

テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

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